福岡高等裁判所 昭和41年(行コ)6号 判決 1969年12月24日
熊本市下通町七五番地
控訴人
有限会社 やぐら寿司
右代表者代表取締役
守屋千代子
右訴訟代理人弁護士
庄司進一郎
同市御幸町一六番地
被控訴人
熊本国税局長
藤田勇
同市御幸町二〇番地
被控訴人
熊本税務署長
佐藤浩
右両名指定代理人
福岡法務局訟務部付検事
日浦人司
同
法務事務官 中島亨
熊本国税局大蔵事務官
上原光正
右当事者間の昭和四一年(行コ)第六号法人税更正決定取消等請求控訴事伴について、当裁判所は、次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は、「原判決を取消す。控訴人の法人税につき被控訴人熊本税務署長が、(1)昭和三四年一二月一二日付でした昭和三二年八月一日から昭和三三年七月三一日までの事業年度(以下、三二年度と略記する。)の所得金額を一〇五万三、三〇〇円とした更正決定、(2)昭和三五年五月二三日付でした昭和三三年八月一日から昭和三四年七月三一日までの事業年度(以下、三三年度と略記する。)の所得金額を七五万〇、三〇〇円とした(減額)更正決定、(3)昭和三七年六月二八日付でした昭和三四年八月一日から昭和三五年七月三一日までの事業年度(以下、三四年度と略記する。)の所得金額を五八万八、八〇〇円とした更正決定、(4)前同日付でした昭和三五年八月一日から昭和三六年七月三一日までの事業年度(以下、三五年度と略記する。)の所得金額を七四万七、八〇〇円とした更正決定をいずれも取消す。被控訴人熊本国税局長が昭和三六年六月二四日付でした前記三二年度分及び三三年度分の更正決定に対する控訴人の審査請求を棄却する旨の裁決並びに昭和三八年四月三〇日付でした前記三四年度分及び三五年度分の更正決定に対する控訴人の審査請求を棄却する旨の裁決はいずれも取消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控訴人ら代理人は、主文同旨の判決を求めた。
当事者双方の事実上の主張及び証拠関係は、次に付加するほか原判決事実摘示(ただし、原判決三枚目表一一行目中「法人税法」とあるのを「法人税」と、同一二枚目表一二行目中「七万五、〇〇〇円」とあるのを「七万〇、五〇〇円」と、別表一の三枚目表二行目中「差引洩上」とあるのを「差引売上」と各訂正し、別表二の一枚目裏一四行目被告ら主張額欄に「原告申告額と同額」を加える。)のとおりであるからこれを引用する。
控訴代理人は、被控訴人らの後記主張は争う、と述べ、
証拠として、新たに甲第一〇号証の一、二、第一一ないし第一三号証を提出し、当審証人宮正行、同本田栄、同梅木正彦、同竹中武重、同元木勇夫、同葛西捨男、同内田英雄、同梅本澄人、同今和泉弘の各証言を援用し、当審において提出された乙第八号証の二の成立は不知、と述べた。
被控訴人ら代理人は、被控訴人熊本国税局長が昭和三八年四月三〇日付でした昭和三四年度及び昭和三五年度分の更正決定についての控訴人の審査請求を棄却する旨の裁決に対する控訴人の取消事由は、原処分の違法のみを主張するのであるから、それ自体理由がない、と述べ、
証拠として、原審において提出した乙第八号証の二を撤回して新たに乙第八号証の二を提出し、当審証人小倉光、同三浦謙一郎の各証言を援用し、甲第一〇号証の一中税務署作成部分の成立は認める、その余の部分の成立は不知、同第一三号証の成立は不知、同第一〇号証の二、第一一、第一二号証の成立は認める、と述べた。
理由
当裁判所も控訴人の本訴請求はいずれも理由がなく失当としてこれを棄却すべきものと判断するが、その理由は次に付加訂正するほか、原判決の示すところと同一であるからこれを引用する。
一、原判決一九枚目裏七行目「北原証言によつて」から同一〇行目「同第八号証の二」までを「当審証人小倉光、同三浦謙一郎の証言によつて真正に成立したものと認められる乙第八号証の一、二」と訂正し、同一三行目「岡各証言」の次に「並びに当審証人今和泉弘の証言」を加える。
二、原判決二〇枚目表一行目の次に、「もつとも、当審証人梅木正彦の証言によつて真正に成立したものと認められる甲第五号証、当審証人木田栄の証言により真正に成立したものと認められる甲第七号証(ただし、同号証中税務署の押印部分の成立については争いがない。)、当審証人宮正行の証言により真正に成立したものと認められる同第八号証(ただし、同号証中税務署の押印部分の成立については争いがない。)に、原審及び当審証人梅木正彦、当審証人本田栄、同宮正行の各証言によると、被控訴人熊本税務署長は控訴人に対し、法人税法第一九条第一項本文(昭和四〇年三月法律第三四号による改正前)の規定による昭和三六年、同三七年及び同三九年の各事業年度分の予定申告書の用紙を送付するに際し、青色申告書の用紙を送付していたことが認められるが、右各証言を総合すると、右は被控訴人熊本税務署長の錯誤に基づくものであることが認められるので、被控訴人熊本税務署長が控訴人に対し青色申告書の用紙を送付していたことをもつて、控訴人が青色申告の承認を受けていたことの資料とはなし難い。」を加える。
三、原判決二〇枚目表四行目「今和泉各証言」の次に「当審証人宮正行、同本田栄、同梅木正彦の各証言」を、同行目「ただし」の次に「原審及び当審における」を、同一二行目「今和泉」の次に「(原審及び当審)」を、同枚目裏一一行目中「第三一条の四第二項」の次に「ただし、昭和三七年四月法律第六七号による改正前のもの」をそれぞれ加え、同二一枚目表一一行目「交際用」とあるのを「交際費用」と、同二五枚目裏七行目中「宮崎」とあるのを「宮岡」と、同二七枚目表六行目中「7」とあるのを「6」と、同枚目裏三行目中「乙第二九号証」とあるのを「乙第三一号証」と、「同第三一号証」とあるのを「同第三四号証」と、同一四行目中「同第三一号証、同第三四号証」とあるのを「同第二九号証、同第三二号証」と、同三一枚目表二行目中「三九・七%」とあるのを「三八・四%」と、同六行目中「五三・五%」とあるのを「五二・六%」と、同七行目中「四一・三%」とあるのを「四〇・六%」と、同一二行目中「乙第三一号証」とあるのを「乙第三八号証」と、同一三行目中「宮崎」とあるのを「宮岡」とそれぞれ訂正する。
よつて、原判決は相当で本件控訴は理由がないので、民事訴訟法第三八四条、第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 江崎弥 裁判官 弥富春吉 裁判官 白川芳澄)